2021年から施工管理技士や試験について、改正がありました。
今までの「施工管理技士」という資格に加え、「施工管理技士”補”」なる役割が登場するとのこと。我々建設業も、仕事のやり方にかかわってくる重要な改革です。今回はその「技士補」について調べてみました。
施工管理技士補って何？
技士 ＆ 技士補
「施工管理技士補」とは、施工管理の一次試験に合格した者のこと。
従来は「学科試験」と「実地試験」の両方を合格することで初めて「施工管理技士」の資格を取得できるという形でした。しかし2021年からは二つの試験を「一次試験」と「二次試験」という形で分け、一次試験合格者を「施工管理技士補」、二次試験も合格すれば「施工管理技士」の資格を得ることができるという形態になります。
これに伴い、今までは学科試験のみ合格した場合は、その翌年のみ学科合格が有効（学科再受験免除）でしたが、今後は一次試験を一度合格してしまえば、その後はずっと二次試験に直にチャレンジできる仕組みになりました。
技士補には何ができる？
技士補の仕事は、監理技術者のサポートとされます。
今までは税抜4,000万円以上を下請けに出す現場は、監理技術者が専任してなければなりませんでした。しかし今回の建設業法の改正で、監理技術者の専任義務が緩和されました。一級施工管理技士補でかつ主任技術者の要件を満たすものをそれぞれの現場専任に設置すれば、監理技術者が現場を兼任できるようになります。
しかし、この現場で活かせる資格となるのは一級の技士補を持ち、かつ二級施工管理技士を持つなど主任技術者の要件を満たすもののみ。経験がなく一級の技士補のみ持つ者、または二級の技士補は何ができるのか？というのはまだ具体的に示されていません。
なぜ「技士補」が創設されたたの？
今回のような制度の改訂があった背景には、建設業の慢性的な技術者不足があります。
建設業は他の産業よりも顕著に少子高齢化の波を受け、施工管理技士の資格を持った若い人が少なくなっています。必然的に若い人は現場の主戦力となって日中働いているわけで、施工管理技士の資格の勉強をしようにもなかなか時間や体力を注ぎ込むことが難しくなっています。
今までの試験では実技試験を二度落ちてしまうと、学科試験からやり直しとなっていました。でも、二度とも実技試験落ちてしまうと、再度学科から受けようという人の割合がガクンと減るわけです。
学科のみ受かっている人というのが今までも割といたので、その人材を活かし、二次試験へ挑戦しやすい仕組みを作ったというわけですね。
技士補の受験資格は？
一次試験というのは、その施工管理に関する「概略の知識」の試験ということになります。
２級の技士補（一次試験）に関しては、試験実施年度（４月～翌３月）において満17歳以上となる方であれば受験可能です。つまり、現場の経験がなくとも高校在学中に受験することが可能です。高校の指定学科などは、積極的に受験をさせることでしょう。そして、技士補合格後に、実務を積んでから二次試験を受け、合格すれば２級の施工管理技士を取得するということになります。
１級の技士補に関しては、所定の経験が必要となります。しかし２級の二次検定に合格していれば、すぐに１級の受験が可能となります。
学生のうちに一次試験を通過し、技士補を持っておくと、スムーズにキャリアアップできるでしょうね。
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